2013年10月21日月曜日

引越しします。

最近更新ができて無いのにサイトの引越しというのもなんですが、もうちょっと使いやすいところを探していたら、私にとっては良さそうなブログがあったので引っ越します。

http://yasaitips.wordpress.com

上記アドレスのページにて今後はブログ更新を続けて行きますので宜しくお願い致します。

2013年9月13日金曜日

農薬の作り置きは可能か?

今回の表題は実際に質問を受けた内容です。
というか、常にそれがブログのネタになるのですが…

結論からいうとNOで、持って1日という感じです。
理屈として何故そうなるのかというと水との反応で分解するからだそうです。故に作り置きして数日経った農薬は効果の面で不安定であるという事になります。

では、ホルモン剤はどうなのかというと。
トマトトーンの例になりますが、25℃以下であれば数週間は持つそうです。

このように農薬とホルモン剤では分解特性が違うという事に一つの面白さを見出した私です。

2013年8月26日月曜日

水稲用薬剤の適正散布量

今年は経費的な面を考慮されて粉・粒剤でなく、薬液散布による病害虫防除をされる方が多くなりました。

そこで今回は自分の失敗談も含め水稲の場合、10aあたり薬量はどれ位を目安とするべきか述べたいと思います。

実は先日、水稲防除を薬液散布されると伺った際にナスやトマトなどの園芸作物の散布薬量基準を基に『10aあたり200L』で説明してしまい、結果として薬剤が余ってしまったという事がありました。

そこで、実際に散布した量を生産者の方に伺うと『10aあたり100Lで良かった』という事でした。後日この件をメーカーの営業担当の方に伺うと「150Lは散布して欲しい」というお話をいただきました。またブラシンジョーカーフロアブルのラベルを見ると『60〜150L』となっています。こうなるとドコが正解か分からないですよね 。

それで、色々話し合って見た結果『10aあたり100〜150L』が無難であろうとの話になりました。

今回の内容は凄い初歩的なことになってしまいましたが、何かの役に立てれば幸いに存じます。


2013年7月30日火曜日

土壌還元法

私の地域では最近普及所や営農指導の方々から、よくこの言葉を伺います。
普及背景としては、暗渠がそのまま河川や用水路に流れるようになっているのでクロールピクリンなどの土壌消毒剤が使えないという事が大きい要因としてあり、そういった圃場に対しての土壌消毒手段として普及が進みつつあるといった感じです。

概論的ですが、特徴や消毒法、メリット及び注意点は以下の通りかと思います。

【対象病害虫】
・ネコブセンチュウ
・青枯病(但し、米糠だけでは効果は不安定)
・根腐病
     など

【材料】
・米糠(10a当たり1t)
・糖蜜(10a当たり90Kg)←青枯病対策や消毒処理層が50cm欲しい場合。
・被覆用ビニール
・灌水チューブ

【メリット】
・低コストで行える(但し、20Kg袋で1t分購入した場合や糖蜜を加える際は高コストになる事も)
・水を張ると塩類除去の効果も期待できる。
・糖蜜を加えれば処理層が50cmに達する。
環境全体で考えると負荷が少ない。

【注意点】
・米糠を購入する際は遅くとも3ヶ月前から予約しておく事。
・対象病害虫が限られている事。
・地温で30度以上の状態を2週間必要な事(時期的に夏場に限定される)
・窒素分が10a当たり約22〜25Kgの窒素成分を与えた形になるので植え付け前に土壌分析と施肥設計を行ってもらう事。

具体的なやり方としては、コチラのPDFファイルが役に立つかと思います(資料①)

また、効果等に関してはこちらのPDFファイルが役に立つと思います(資料②資料③)

どの土壌消毒にも適した方法というのがあります。効果面、経費面等を照らし合わされてみて御自分に合われた土壌消毒を行っていただければ幸いに存じます。



2013年7月4日木曜日

各栽培法の立ち位置

実は、この記事を書くことはためらいがある事を先に記させていただきます。

書こうと思ったきっかけは、ある方から『奇跡のリンゴ』という映画についてどう思うか書いて欲しいという事からだったと思います。彼はこの映画に否定的でした。理由は化学農薬を使った農業をされてる方を馬鹿にするような意見をどこそこで見聞きするようになったからだそうです。

残念ながら、この映画を私は見てませんので『奇跡のリンゴ』に関しては触れません。

で、何を語るかというと主に今回は消費者の方向けの内容になるかと思いますが、おおまかな栽培方法と立ち位置です。

【既存農業】
化学農薬や肥料を使用する栽培で、多くはこの分類に入ると思います。この背景には私たち消費者の元に安定して綺麗な作物を提供するという役割りがある為、市場が求めてくる量と品質に応え続けるための一つの最適解となるためです。

【無農薬野菜】
こちらは生産者の思想哲学みたいなところが強いと思います。どうしても手間が掛かるので人件費対出荷量という部分で高コストになりますし、安定して出荷できるノウハウがあるなら良いのですが、一般的に収量は不安定だと思います。

【有機栽培】
減化学農薬栽培と言われるもので既存農業に対し、化学農薬および化学肥料を半減して栽培するものです。そのため有機質肥料のような高価な資材を使うので高コストになりがちです。

こうやってみると、既存農業は私達の食卓を安定して支えるため。他二点の栽培法は「減化学」および「完全有機」という付加価値を求める消費者向けと区別でき、それぞれが担う役割が違うと分かっていただけると思います。

また、既存農業については、作物にもよりますがICMおよびIPMという考え方が浸透しつつあります。特にICMに関しては化学農薬は最後の手段と考え、まずは病気や虫を圃場で発生させないようにどうすれば良いかという理論で、これは今後農業が永続的に続くための鍵になると個人的に考えてます。
また、虫を使って害虫を駆除する方法(天敵)や米ぬかを使って土壌消毒する方法(土壌還元法)などもだいぶ普及されてきてますので昔ほど化学農薬に頼りっぱなしでないこともここに伝えておきたいと思います(出来る作物、出来ない作物はありますが…)

最後に、工業製品のような綺麗な野菜が毎日店頭に並ぶ事。これ自体が奇跡だと思っていただけたなら幸いだと思います。
私自身、農家さんから曲がってたり虫喰いがある野菜を貰う事は多々ありますが、半分に切ったら虫さんとコンニチワする事はしょっちゅうで、枝豆から豆が出てこず茹であがった芋虫が出てきた事もありました。こんなリスクを背負わずに店頭には綺麗な野菜が並んでるのですから日本は幸せだと思います。


2013年7月3日水曜日

苗いもち病について

今年は例年に比べて苗いもち病の相談が多かったように感じられました。
そこで、今回は苗いもち病が出た場合の対処について少しだけお話をしたいと思います。

といっても一言だけなのですが、結論から言えば…

農薬は散布しなくてOK!

ということだけです。

理由としては、育苗期間中はどうしても株が密植状態ですので風通しが悪くなり、そこに湿度が籠る事でいもち病が発生しますが、田植えをしてしまえば株間が十分にできるので風通しが良くなり自然と消えてしまう為だそうです。

私自身、なぜ止まるのかをコレ以上事細かに理屈立てて説明できませんが、各農薬のメーカー担当に伺っても皆一様にこのアドバイスですし実際にお客さんに試していただいたところ、その後病気が広がる事もなく自然と治まってしまいました。

ーちなみにー
どうしても苗の時期に薬剤散布したい場合は予防剤としてのフジワン粒剤しか登録がありませんのでご注意ください。

2013年6月23日日曜日

水稲箱処理剤に関してよく受ける質問について

私の地域では田植えの真っ最中ですが、この時期になると生産者さんから箱処理剤の事でよく質問があります。
それで、今回は圧倒的に多かった2項目の質問について記載したいと思います。

【質問】
①「移植3日前〜」となっている箱処理剤で天候や作業の段取りなどの関係で早く処理して良いか?

②移植当日に処理すると田植機に載せた際に薬剤が零れ落ちるのだけどどうすればよいか?

【回答】
①に関しては、残念ながら駄目です。登録違反だからと言ってしまえば身も蓋もない回答ですが、もう一つ大きな理由として薬害の心配があるからです。ですので、それ以前に使用したい際は『播種時覆土前〜移植当日』と記載がある剤が良いと思います。例としては以下の剤が挙げられます。

■虫のみの場合:プリンス粒、フェルテラ箱粒剤など。
■病害虫の場合:嵐プリンス箱粒剤、ルーチンアドスピノ箱粒剤、ツインターボフェルテラ箱粒剤(JAのみ取扱)など

※今回例にあげた薬剤は、害虫はコブノメイガ、ウンカで記載があるもの。病気に関してはいもち病で記載があるものに限定しています。薬剤を選ぶ際はご自分のニーズにあったものを購入先の店舗で相談して選んでください。


②に関してはパッケージの裏などに『薬剤を処理した後に軽く灌水する』旨が書いてあります。これは、灌水する事によって薬剤を土壌に固着させて零れ落ちないようにするという意味です。一手間になりますが宜しくお願いします。