2013年7月4日木曜日

各栽培法の立ち位置

実は、この記事を書くことはためらいがある事を先に記させていただきます。

書こうと思ったきっかけは、ある方から『奇跡のリンゴ』という映画についてどう思うか書いて欲しいという事からだったと思います。彼はこの映画に否定的でした。理由は化学農薬を使った農業をされてる方を馬鹿にするような意見をどこそこで見聞きするようになったからだそうです。

残念ながら、この映画を私は見てませんので『奇跡のリンゴ』に関しては触れません。

で、何を語るかというと主に今回は消費者の方向けの内容になるかと思いますが、おおまかな栽培方法と立ち位置です。

【既存農業】
化学農薬や肥料を使用する栽培で、多くはこの分類に入ると思います。この背景には私たち消費者の元に安定して綺麗な作物を提供するという役割りがある為、市場が求めてくる量と品質に応え続けるための一つの最適解となるためです。

【無農薬野菜】
こちらは生産者の思想哲学みたいなところが強いと思います。どうしても手間が掛かるので人件費対出荷量という部分で高コストになりますし、安定して出荷できるノウハウがあるなら良いのですが、一般的に収量は不安定だと思います。

【有機栽培】
減化学農薬栽培と言われるもので既存農業に対し、化学農薬および化学肥料を半減して栽培するものです。そのため有機質肥料のような高価な資材を使うので高コストになりがちです。

こうやってみると、既存農業は私達の食卓を安定して支えるため。他二点の栽培法は「減化学」および「完全有機」という付加価値を求める消費者向けと区別でき、それぞれが担う役割が違うと分かっていただけると思います。

また、既存農業については、作物にもよりますがICMおよびIPMという考え方が浸透しつつあります。特にICMに関しては化学農薬は最後の手段と考え、まずは病気や虫を圃場で発生させないようにどうすれば良いかという理論で、これは今後農業が永続的に続くための鍵になると個人的に考えてます。
また、虫を使って害虫を駆除する方法(天敵)や米ぬかを使って土壌消毒する方法(土壌還元法)などもだいぶ普及されてきてますので昔ほど化学農薬に頼りっぱなしでないこともここに伝えておきたいと思います(出来る作物、出来ない作物はありますが…)

最後に、工業製品のような綺麗な野菜が毎日店頭に並ぶ事。これ自体が奇跡だと思っていただけたなら幸いだと思います。
私自身、農家さんから曲がってたり虫喰いがある野菜を貰う事は多々ありますが、半分に切ったら虫さんとコンニチワする事はしょっちゅうで、枝豆から豆が出てこず茹であがった芋虫が出てきた事もありました。こんなリスクを背負わずに店頭には綺麗な野菜が並んでるのですから日本は幸せだと思います。


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